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マツケンCSR通信

松下生活研究所のCSR(企業の社会対応力)をめぐる日々の動きを発信していきます。

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「行政と住民の復興座談会ー御船町のチャレンジー」

2016年(平成28年)10月28日(金)

今月から御船町が震災復興に向けて意欲的な取り組みを始めました。

町を校区別に10のエリアに分け、そのすべての地域に町長ほか全課長が出向いて意見交換の座談会を行うというものです。

公務終了後、町長、役場幹部全員がその日の該当地区に赴き、夜7時から9時まで地域の復興課題について地元住民と直接話し合います。全部で10回行います。

震災から半年がたち、復旧や復興が目に見えて進んでいるところ、一方で、被災直後の姿から一向に変化が見られないところ、様々な格差が見えてきました。

特に街から離れた中山間地では道路や農地、水路などが震災と6月の豪雨で破壊されたまま非常な不便を強いられているところが数多くあります。

その当事者である住民の不安と苛立ちは、月日がたてばたつほど増幅されていきます。

役場は自分たち地域のことをちゃんと考えてくれているのだろうか?
一刻も早く復旧させるためにきちんと手を打ってくれているのだろうか?

このような地元の疑問や不安に直接答え、話し合うことを目的に御船町長の英断で始められた座談会です。
県内でもこのような取り組みは他に聞いたことがありません。

この取り組みには当研究所代表・松下修が事務局長をつとめる中間支援組織「ふるさと発 復興会議~九州・熊本」(統括代表・徳野貞雄)が行政と住民の間を取り持つコーディネーターとして協力しています。

今月17日からすでに三回実施されました。

「御船町復興計画策定にかかる地区座談会」

10月17日(月)第一回 田代東部地区座談会

10月18日(火)第二回 田代西部地区座談会

10月21日(金)第三回 水越地区座談会

いずれの座談会も20~30名の住民が参加し、行政側と意見を交わしました。

道路の復旧に関する質問と要望が相次ぎました。

その中で、地区の主要な生活道として利用してきた町道が地震と豪雨で崩れ不通になり、それまでは10分程度で行き来できていたところが小一時間もかかるようになった地域がありました。

「郵便配達の方も大変な苦労をしている。
自分も民生委員としてちょっとした行き来もできなくなった。
バイク一台、軽自動車一台でもいいから仮復旧で通れるようにしてもらえないか?」

そう訴える住民の声には切実な響きがありました。

しかし、崖崩れで40m以上崩落した現場は非常に危険な状態になっているという厳しい現実が立ちはだかっていました。

「おっしゃることはよくわかる。
しかし無理な仮復旧をしても再び崩れて人命にかかわる恐れがある。
町民の生命と安全を守るのが私たち行政の最大の責務であり、十分な安全が確認できないまま拙速に通してしまうことはできない。皆さんの命や安全を二の次三の次にすることはできない。
不便を強いられている皆さんのお気持ちは痛いほどわかる。町としても土木専門家やコンサルタントなどの意見や調査報告を聞きながら最善の対策を協議している。それにはどうしても時間がかかる。方針が定まり次第必ず皆様にお伝えする。どうかもう少し時間をいただきたい。」

そう答える町長の言葉にも苦汁の響きが満ちていました。

どちらの言うことが正しいという問題ではありません。

お互いがお互いの立場から率直な気持ちと状況を伝え合っている。
このフェイス・トゥー・フェイスのやりとりにこそ価値があると感じました。

両者の間に入ったコーディネータ―は互いの想いを要約し、やりとりの継続を促します。

行政と住民。
両者が対立する立場でものを言うのではなく、問題を共有し立場の違いを超えて最善の解決を図るのがこのような対話の最大の意義だと思います。
役割立場が違えども両者とも地元を愛する「町民」であることに変わりはないのです。

一連の座談会を通じて地域のコミュニティの大切さがあらためて確認されました。日頃のお隣近所とのコミュニケーションが非常時には大きな力を発揮することがわかりました。

そして、行政と住民をつなぐ「パイプ役」の必要性があらためて浮き彫りになりました。
それは各地区の区長さんだけではなく、地元役場OBかもしれないし、ボランティアかもしれないし、中間支援組織の支援員かもしれない。
いずれにしても、災害からの復興には住民にきめこまかく寄り添い行政につないでいく「パイプ役」が必要であることがわかりました。
新潟の「中越地震」からの復興においても、このような支援員が大きな役割を果たしたことが知られています。

そして、このような行政と住民の率直な対話とコミュニケーションを継続していくのが何よりも重要であることが各座談会で強調されました。

災害からの復興に向けて行政と住民が直接向き合い、最善の道筋を探っていく御船町のこの意欲的な取り組みが、喜ばしい成果を生み出していくことを願ってやみません。

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10月17日(月) 田代東部地区座談会の模様

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10月18日(火) 田代西部地区座談会の模様(話しているのは「ふるさと発 復興会議」の徳野先生)

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10月21日(金) 水越地区座談会の模様

(岸本 亨)
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[ 2016/10/28 10:20 ] 未分類 | TB(-) | CM(0)
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